みなさんこんにちは！

先日6月2日（日）の講座では「和算」をテーマに話してもらいました。
「和算」の問題を解いてその技術的なことを解説するのかなと思いきや、世界の数学の中での和算の位置や和算の歴史がメインテーマでした。
西洋数学が厳密な証明というものを中心に発展してきたのとは違い、どうやら江戸時代の日本の数学は美しさを求めていたようです。岡潔が「情緒で数学をする」と言ったのも、江戸時代から綿々と続く日本的なものが背景にあったためかもしれません。
その「和算」ですが、森田さんが連載している「週刊朝日」や季刊誌「考える人」で7月に「和算」が特集されるようです。どんな内容になっているか楽しみですね☆


ところで今回休憩時間にお配りした「数学せんべい」。




森田ファンでもある岐阜県大垣市にある田中屋せんべい総本家さんが差し入れて下さいました。7代目若旦那にお会いした2年半前，会ったその日にいきなり「数学せんべいを作りたいのです」と相談した大使ですが，とうとうこの日デビューを果たしましたよ「数学せんべい」。その名のとおり、中には「和算」の問題と「素数」。ところがその素数の中に「グロタンディーク素数」が混じっていて、それを引くと・・・・・・とまあ，いろいろ考えて楽しんでもらえるようにしたつもりでしたが如何でしたでしょうか？








さて、次回8月4日（日）の「大人のための数学講座」のテーマは「古代の数学」です。
古代ギリシアを中心にマヤ、バビロニア、エジプト、中国など、世界中の紀元前の数学にフォーカスします。
これまでも古代のいくつかの記数法を紹介してもらったことはありますが、それと絡めて世界中の数学の元の元を探る講座となりそうです。私たちが普段当たり前のように使っている数字や計算には実は何千年の歴史が込められていることを知ると、ものの見方が変わるかもしれません。

お盆前の休日，みなさまのご参加をおまちいたしております。

森田真生（もりたまさお）

独立研究者。1985年東京生まれ。アメリカで育ち，帰国後はバスケットボールの練習に明け暮れる10代を過ごす。東京大学を文系で入学し，色んな出会いがキッカケとなり，工学→数学と進学。2010年東京大学数学科を卒業してからは在野で数学研究を続け，現代では世界でも珍しい「独立研究者」として生きることを決心。専門の「圏論」など代数幾何学の研究に励む傍ら，京都大学の文化人類学者と共同で数学と身体性の研究もおこなっている。また，バスケットを通じて知り合った武術研究家の甲野善紀氏との共催で、2009年より新しい学校のあり方を模索する実験的セミナー「この日の学校」を開催したり、音楽を楽しむように数学を気軽に楽しむための空間をめざした「数学の演奏会」を日本各地で開催して好評を得ている。2010年７月、福岡県に数学道場「懐庵」を開き，様々な分野の著名人（養老孟司，内田樹，中沢新一，名越康文など）を招いて公開対談をおこなったり，ダンサーとコラボしたりなど，精力的に活動。紙とえんぴつに収まらない，環境と身体を総動員した数学というものを多くの人に体験してもらう様々な試みを精力的におこなっている。
名古屋では2010年より「数学の演奏会」や「圏論講座」などのレクチャー，また学生時代に縁のあった故荒川修作（名古屋出身の芸術家）作品である＜岐阜県養老天命反転地＞ツアーなどを開催。2011年より岐阜でも「演奏会」を開催したり，名古屋芸術大学や名古屋大学で講座をするなど，東海地方でも活動の場が広がっている。
「今自分たちで定義してしまっている人間じゃないものになりたい」。数学をベースに，「人として生きるとはどういうことか？」の問いに対し研究と活動を続ける，この”いかなる意味にも回収され得ない”人物の見事な話術と魅力にファンが増殖中。公式ウェブサイト　Choreograph Life

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